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時間外80時間の「前」に動く手順
集計が確定してから動くと、面接指導は翌月以降になります。超えてから始める手順ではなく、超える前に動く手順にします。
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11月は過労死等防止啓発月間です。啓発の資材が配られる時期で、社内に掲示して終わり、となりやすい月でもあります。
掲示のかわりに手順を一つ見直すなら、長時間労働者への面接指導を選びます。制度としては整っているのに、実務では毎月少しずつ遅れている箇所だからです。
時間外・休日労働が月80時間を超えた方には、その時間数を速やかに通知します。面接指導は、本人の申出を受けて行います。
遅れる理由は、確定を待つこと
勤怠の集計は給与の締めに合わせて動きます。月末で締めて、翌月の上旬に確定する。そこから該当者を抽出し、通知し、申出を待ち、医師の日程を取る。ここまでで、超えた月から1か月以上が過ぎます。
疲労が溜まっているのは、その1か月のあいだです。面接の日には本人の状態も職場の状況も変わっていて、話が「先月は忙しかった」という振り返りになります。
手順を守っていないわけではありません。順番どおりに進めた結果として遅れています。だから、確定を待たない部分をつくることになります。
月の中ごろ
途中経過を見る
勤怠システムの実績で、このままいけば超える人を拾う。確定値でなくてよい。毎月同じ日に見ると決めておく。
月の後半
本人と上長に見込みを伝える
「このままだと超えます」を早く言う。業務の割り振りを変えられるのは、まだ月内のこの時点。
月が締まったら
時間数を通知する
80時間を超えた方へ、速やかに通知する。文面と出し方は毎月同じものを使い、そのつど考えない。
通知と同時に
申出の受け先を示す
誰に、どうやって申し出るのか。通知と別便にしない。書いていない受け先には申出が来ない。
申出があったら
遅滞なく面接指導を行う
医師による面接指導。申出を受けてから日程を探すと時間が過ぎるため、枠は先に押さえておく。
面接のあと
医師の意見を聴き、措置を決める
労働時間の短縮、深夜業の回数の削減、配置の変更。意見を聴いたうえで決めるのは事業者。
先に決めておく4つ
時間数をどう数えるか
1か月あたりで見ます。休憩を除いた労働時間のうち、1週間あたり40時間を超えた分を積み上げる形です。締め日も勤怠システムも事業場によって違うので、誰がどの画面の数字で判断するのかを一度決めておきます。
通知を誰が、どう出すか
毎月出るものなので、そのつど文面を考えていると止まります。ひな形を作り、出す人を決めます。紙かメールか、上長を経由するかどうかもここで決めておきます。
申出の受け先をどこに置くか
申し出たこと自体が、健康に関する個人の情報です。上長を経由する形にすると、申し出にくくなります。人事または産業保健の窓口に受け先を置き、通知の文面にその連絡先を書きます。
医師の枠をどう確保するか
産業医を選任している事業場では、毎月の訪問日に枠を残しておきます。選任の義務がない規模の事業場では、どこに依頼するかを先に決めておきます。依頼先には、それぞれ担う範囲が決まっています。申出が出てから探すと、そこで止まります。
申出がないときにどうするか
面接指導は申出を受けて行うため、本人が言わなければ動きません。実際、超えている方から申出が出てこない会社は多くあります。忙しい、大ごとにしたくない、体調は悪くないと思っている。理由はさまざまです。
会社が独自の基準を設けて、面接指導に準じた対応を行うことは妨げられていません。80時間に届かない段階から相談の場を置いている会社もあります。
保健師が入る場合、ここを担うことがあります。医師の面接指導とは別に面談の場を置き、申出につなぐのか、業務の割り振りの話にするのかを見分ける。数値だけが毎月積み上がって、誰も声をかけていない状態にしないための場です。
時間外労働の上限そのものは労働基準法で定められています。ここで扱っているのは、健康を確保するための面接指導の手順です。
毎月回る形にする
この手順は、年に一度の行事ではなく毎月の実務です。担当者の記憶で回している状態だと、繁忙期や担当替えの月に抜けます。
人事・総務のご担当者と決めるのは、見る日、通知のひな形、受け先、医師の枠の4つです。決めてしまえば、あとは毎月同じことを繰り返す形になります。衛生委員会の議題に「先月の該当者数と対応状況」を固定で載せておくと、抜けたときに気づけます。